場の量子論のリサージェンス理論に基づく非摂動的定式化
【研究キーワード】
リサージェンス / 非摂動効果 / 摂動論 / 場の量子論 / ソリトン / バイオン / ストークス現象 / スキルミオン / 非摂動効果摂 / 赤外リノマロン / カイラル磁性体 / 複素古典解 / リサージェンス理論
【研究成果の概要】
最も単純な量子力学の系である、一階の時間微分を持ったU(1)対称な1自由度の系の全次数のトランスシリーズを議論した。リフシッツ・シンブルの方法を用い、ネーター電荷の生成関数の経路積分を具体的に実行し、厳密なトランスシリーズ展開を得た。保存則を用い、複素化された作用の鞍点を発見した。生成関数の従う微分方程式を用いると、各々の鞍点の周りの全次数のべき展開の寄与が、1ループの行列式で生成されることがわかる。そのトランスシリーズは、すべての関連する鞍点からの寄与を足し合わせることで得られる。我々は、摂動展開のボレル不定性が、交差数の不連続なとびに起因する非摂動な不定性とキャンセルすることを確かめた。
【研究の社会的意義】
量子論は、従来の古典力学にとって代わる学問体系で、発見以来100年が経つが、未だに基礎的なところで新しい発見があり、応用としては量子コンピューターなど次世代の科学技術の根幹となっている。さらに場の量子論は、通常の量子力学では扱えない、粒子の生成消滅も扱えるようにした体系で、量子力学の上位バージョンである。発見当初から、素粒子論や物性物理の基礎付けを与えている。しかし、いまだに新しい発見が多くあり、まだその全貌はつかめていない。よって、場の量子論の基礎付けを研究することは、物理学のみならず、社会全体にとって非常に重要な課題で、次世代の科学技術で日本がリードするために必要不可欠である。
【研究代表者】