巨大ユニットセルを持つ炭素ナノ構造体の理論研究総合システムの構築
【研究分野】物性Ⅱ
【研究キーワード】
ナノチューブ / フラーレン / 分子動力学法 / モデルポテンシャル法 / 密度汎関数法 / 炭素ナノ構造体 / タイトバインディング法
【研究成果の概要】
ナノカーボン系の重要性は、その原子配置を変化させることにより、電子物性、さらには機械的物性が多種多様な系を実現できることにある。しかも、その原子配置の取り得る多様性は、フラーレン系・ナノチューブ系それぞれで、無限種類あるといっても過言ではない。これが、ナノサイエンス・ナノテクノロジーにおいてナノカーボン系が最重要物質群とされ、研究が集中的に行われている理由である。しかし、その多様性こそが、ナノカーボン系に対する統一的な研究手法の確立を困難にしている。即ち、周期系で定義される、いわゆる「ユニットセル(単位胞)」が巨大な系が多いこと、そして、そのために、それぞれの系で、用いることのできる理論手法が異なるからである。
本研究では、炭素系に関して、各種の手法(モデルポテンシャル法、分子動力学法、タイトバインディング法、密度汎関数法等)に対して、全く同一フォーマットのインプットファイル、即ち、「原子配置」をインプットとして統一して用いることのできる総合的な理論研究システムを立ち上げた。通常、各種法において必要となるインプットの多くの部分は、扱う元素の種類に強く依存している。無論、それにより、各種元素からなる化合物の構造予測・物性予測が可能になる。ただ、炭素系に限った計算を実行する、という場合には、そのインプットファイルの多くの部分は、普遍の部分として固定できるものである。即ち、インプットファイルから消去可能である。本研究では、このことを利用して各種理論研究手法のプログラムを炭素系を扱う場合に特化してコーディングし直した。これにより、原子配置からなるインプットファイルによる計算が可能となった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
三宅 隆 | 東京工業大学 | 大学院理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,200千円 (直接経費: 3,200千円)