自由表面及び界面を持つ流体現象の数値解析と工学プロセスへの応用に関する研究
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
2流体問題 / Navier-stokes方程式 / 質量保存性 / ラグランジュ未定乗数 / フラックス・フリー有限要素法 / Stokes界面問題 / 誤差評価 / 収束性 / Navier-Stokes方程式 / ラグランジュ未定乗数法 / 非圧縮性 / immiscible / フラックス汎関数 / ラグランジュ乗数 / 有限要素法
【研究成果の概要】
本研究は,自由表面及び界面を持つ流れ問題に対する新しい有限要素スキームの開発とその数理解析および新しい工学プロセスへの応用を総合的に研究することを目的に,平成15年度および平成16年度の2ヵ年にわたり実施された。
平成15年度は,自由界面を有する2流体問題に対して,界面でのフラックスが0となる制約条件をラグランジュ未定乗数法の枠組みで取り入れた新しい混合型変分定式化に基づくフラックス・フリー有限要素スキームを提案し,変分定式化の数学的正当性,定常問題の近似問題の可解性と誤差評価およびNavier-Stokes方程式に対する分数段射影スキームの安定性等について考察を行った.さらに,本手法の有効性を検証するためにダムブレイク問題スロッシングタンク問題等について多くの数値実験を行なった.その結果,本手法の高い質量保存性が実証された.
平成16年度は,動粘性係数νの不連続性を考慮したStokes界面問題の有限要素近似の収束性の議論をベースにして,不連続な粘性係数および密度をもつNavier-Stokes界面問題で記述される2流体問題に対するフラックス・フリー有限要素法の収束性を明らかにした.具体的には,P_1isoP_2/P_1要素をモデルとして,動粘性係数νの三角形栗素における近似を考慮したStrangタイプの誤差評価式を構築し,界面の滑らかさ及びStokes界面問題の解の正則性を仮定して,フラックス・フリー有限要素法の収束性を示した.
しかしながら,本手法の射出成型などの鋳造シミュレーションへの応用については,高密度・高粘性比の問題にも対応できる新たな有限要素スキームの開発が必要であり,今後の課題である.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
齊藤 宜一 (齋藤 宣一 | 齊藤 宣一) | 富山大学 | 教育学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
桜木 卓也 | YKK(株) | 研究開発センター | 解析室長 |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】3,200千円 (直接経費: 3,200千円)