非線型楕円型及び放物型偏微分方程式の理論と応用
【研究分野】基礎解析学
【研究キーワード】
nonlinear partial differential equations / optimal stochastic control / viscosity solutions / Hamilton-Jacobi-Bellman equation / mathematical finances / homogenizations / ergodic problem / numerical analysis / 粘性解理論 / 数理ファイナンス / ホモジェニゼイション / 多重スケールモデル / 非完備金融市場モデル / 最適制御理論 / エルゴード問題 / 偏微分方程式の数値解析 / 非線形退化楕円型方程式の解の平滑性 / 非線形熱方程式の解の安定性 / ショックの現れる非線形一階偏微分方程式の解の存在と一意性 / ハミルトンャコビベルマン方程式の数理ファイナンスへの応用 / 界面の発展方程式 / 変分法の数理生物学への応用 / 非線形偏微分方程式の数値解析 / 確率解析と非線形偏微分方程式の関わり
【研究成果の概要】
本計画は,非線形楕円型及び放物型偏微分方程式の新しい問題,手法,応用を開拓しようという意図の下に計画された.特に,確率過程や決定力学系の最適制御問題を記述する偏微分方程式について興味が持たれた.
一年目は,ある確率偏微分方程式の粘性解理論による取り扱いが研究され,同時に数理ファイナンスに現れる手数料付オプションの価格付けの問題考察が始められた.代表者は,これらの共同研究のため6ヵ月間パリ第9大学に滞在し(稲盛財団),数値解析も共同研究者と共に行った.2年目は,主に数理ファイナンスに現れる偏微分方程式,特に上記手数料付問題に現れる自由境界問題とその中の漸近解析,ジャンプを含む株価モデルへのオプション価格付け問題について研究した.後者は積分項付の偏微分方程式に対応する.代表者は,確率制御問題に関する退化楕円型偏微分方程式の解の平滑性の論文を書き,確率偏微分方程式に関係して非線形一階偏微分方程式の解のショック生成についての論文を準備中である.上記の数理ファイナンスの研究成果も発表準備中である.
また,代表者は本計画実行中に得られた知見をもとに,情報科学研究科大学院博士前期過程で,非線形楕円型及び放物型偏微分方程式,数理ファイナンスに現れる最適制御問題そして数値解析の授業を行った.
【研究代表者】