パンデミック治療薬の迅速生産支援システムの構築
【研究キーワード】
パンデミック / ワクチン供給 / 治療薬供給 / プロセス設計 / シミュレーション / 感染症数理モデル / ダイナミックシミュレーション / COVID-19 / ワクチン・治療薬 / デュアルユース / コンパニオン診断 / 診断・治療用ナノ粒子 / パンデミック治療薬 / モデル化 / 最適化
【研究成果の概要】
本研究の目的は、感染症流行をいち早く検知してワクチン・治療薬を迅速に供給するための、生産支援システムの構築である。研究では、ワクチン・治療薬の需要予測を得る「需要予測モジュール」と、与えられた需要予測に対して、速度やコスト面の最適プロセスを得る「プロセス設計モジュール」を構築し、これらを統合した「統合生産システム」につなげていく。初年度である2021年度は、当初計画に従い、遂行項目①「需要予測モジュールの構築」と項目②「プロセス設計モジュールの構築」、並びに項目④「システムのソフトウェア実装」に取り組んだ。「需要予測モジュールの構築」としては、新規感染予測モデルの開発に取り組んだ。研究には、前年度より開発に着手していたモデルを用いた。本モデルは、代表的な感染症数理モデルのSEIRモデル(Susceptible-Exposed-Infected-Recovered:SEIRモデル)に、人流・気象データを用いてパラメータを動的に推定するという、独自の改良を加えたものである。モデルは、日本国内のCOVID-19に適用可能であることを確認し、分析結果とともにScientific Reports誌で論文発表した。さらに、患者の生体シグナルからいち早く感染拡大の予兆を掴むための、診断・治療用ナノ粒子開発や、コンパニオン診断技術の開発、評価基盤構築にも取り組んだ。寒冷刺激を組み込んだモデルの応用も検討した。「プロセス設計モジュールの構築」としては、既存薬の製造設備を、感染拡大時にワクチン等の生産に転用するデュアルユース設備の推進策に注目し、国内のCOVID-19に関して、設備切り替えのタイミングと感染拡大の関係を分析した。「システムのソフトウェア実装」としては、上記研究で個別に構築したモデルを連結・統合して利用するための予備的検討を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
矢作 尚久 | 慶應義塾大学 | 政策・メディア研究科(藤沢) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
太田 誠一 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)