特異構造が支配する非線形現象の高度形態変動解析
【研究分野】数学解析
【研究キーワード】
非線形非局所的拡散 / 粘性解 / バリフォールド / 薄膜極限 / 非局所的拡散 / 4階全変動流方程式 / プリミティブ方程式 / ファセット / 非線形現象 / 分数冪拡散方程式 / 動的境界条件 / 平均曲率流 / ストークス作用素 / 有界平均振動関数 / 結晶成長 / 分数階時間微分 / クリスタラリン平均曲率流 / 渦巻成長 / 長時間挙動 / 特異拡散 / ストークス方程式 / 特異拡散方程式 / 渦 / 関数方程式論 / 流体 / 弱解 / レゾルベント評価 / 解析学 / 表面・界面物性
【研究成果の概要】
結晶成長のような形態や形状の変動現象を記述する非線形拡散型方程式を中心に、時間発展型偏微分方程式に対して、さまざまな数学的手法を融合し、解の存在・一意性問題を示し、解の挙動を解明しました。特に、特異構造を持つ方程式や、特異点を許す形状を許容するような新たな解概念を確立し、実際の現象を記述するのに便利な数学解析の基礎を構築しました。これらの基盤的成果により、例えば今まで計算することが難しかった結晶表面の衝突する渦巻の計算を可能にしました。
【研究の社会的意義】
偏微分方程式は、諸現象記述に便利ですが、現象に忠実であろうとすると、入力を倍にしても出力が倍にならない非線形であることが多くなります。本研究で扱う問題は主に時間発展型の方程式で、非平衡現象に対応しております。さらに、非局所的効果を持つものです。このような問題は従来の解析では扱えませんでした。本研究の成果は、分数階微分方程式、クリスタライン平均曲率流方程式、ナヴィエ・ストークス方程式を中心に、粘性解の理論や実解析の理論を発展させ、非線形解析学を発展させました。
また、結晶表面の成長メカニズムの一つである渦巻成長について、その新しい数値計算法を与え、結晶成長学の基礎の見直しにつながりました。
【研究代表者】