相転移を持つ確率モデルに関する解析
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
Domany-Kinzelモデル / Skorohod方程式 / 連続浸透モデル / vicious walkers / interacting particle system / non-attractive system / friendly walkers / Dyson model / random matrix / phase transition / Brownian meander / Domany-Kinzel model / Boolean model / 無限粒子系 / 相互作用 / ハードコアポテンシャル / 非吸収的 / パーコレーションモデル / セルオートマトンモデル
【研究成果の概要】
相転移をもつ確率モデル、特に浸透モデル、相互作用のある無限個のブラウン粒子系の研究を中心に行ってきた。研究経過と研究成果をモデルごとに次に説明する。
Domany-Kinzelモデルに対する局所生存確率と大域生存確率との関係式を証明した。この関係式を用いる事により定常分布の性質・収束定理などに関する結果を得た。纏められた結果は、J.Statist.Phys.,Vol.99,(2000),603-612,Ann.Probab.,Vol.30,(2002),933-947に掲載された。
相互作用を持つ無限個のブラウン剛体球系の研究を行った。以前の研究では剛体球間の相互作用がハードコアのみの場合を扱ったが、相互作用のレンジが非有界である場合、対応するSkorohod方程式の解の存在と一意性が成立つことを証明した。この結果から対応するディリクレ形式の一意性も導かれる。纏められた結果は、Stoch.Proc.Appl.,Vol.90,(2000),43-66に掲載された。
中心がポアッソン分布に従う合同な凸多角形を2次元ユークリッド空聞に配置して定義される連続パーコレーションモデルの研究を行った。非有界連結成分が存在するための被覆率の臨界値、臨界被覆率が凸多角形によって異なり、三角形の場合に臨界被覆率が最も低く他の場合は真に高いことを証明した。纏められた結果は、Adv.Appl.Prob.Vol.34,(2002),48-57に掲載された。
非交叉条件のもとでのN本の単純ランダムウォーク(vicious walkersとよばれる)に対する中心極限定理を証明した。纏められた結果は、Physical Review E, Vol.66,(2002),0111051.に掲載された。
【研究代表者】