期待効用最大化問題と確率制御
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
期待効用最大化問題 / 準変分不等式 / 取引費用 / インサイダー取引 / 粘性解 / ハミルトン・ヤコビ方程式 / 大偏差確率制御 / 線形ガウス型市場モデル / リスク鋭感的ポートフォリオ最大化 / super kernel / 密度関数推定 / モーメント問題 / 期待効用最大化 / スペクトル理論 / HJB方程式 / 最小エントロピー測度 / べき型期待効用最大化 / 最適制御 / 指数型ウィナー汎関数 / 最小エントロピー / ファクターモデル / Hamilton-Jacobi-Bellman方程式 / 確率制御 / ブラウン運動
【研究成果の概要】
・無限時間範囲べき型期待効用最大化問題を、取引費用透考慮に入れて考察した。対応する、"エルゴード型"リスク鋭感的準変分不等式を導いた。"エルゴード型"リスク鋭感的準変分不等式の解は、ある関数と定数の組からなるが、その関数を用いて最適戦略の構成を行い、また、その定数が最適値を与えることを示した
・インサイダ取引のモデルに対して均衡価格の問題を研究した。また、作ったモデルでインサイダは株価格に影響しても安定な均衡価格が存在する事を証明した。
・ハミルトン・ヤコビ方程式の解の時間無限大における振舞いについて研究し,一般次元ユークリッド空間上において漸近解への収束することを比較的一般な仮定の下で証明した.
・半連続$L^p$粘性解の概念を導入し、修正版Perronの方法による$L^p$粘性解の存在を示した。また、方程式が一様楕円性を持つ時、この粘性解がヘルダー連続になることを示した。
・数理ファイナンスに現れるobstacle問題の粘性解の微分可能性を高めることで、フィードバック最適制御を構成した。
・非完備な市場モデルである線形ガウス型市場モデルを取り上げ、資産増加率が予め定めた値を超えない確率(ダウンサイドリスク)、を最小化する問題を考察し、その時間大域的挙動が、リスク鋭感的ポートフォリオ最大化問題の双対として特徴付けられることを示した。
【研究代表者】