フラクタル上の確率過程の研究
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
複素多様体 / 拡散過程 / ブラウン運動 / ケーラー性 / モレー空間 / ナビエストークス方程式 / アトム分解 / スコーレムの定理
【研究成果の概要】
研究代表者藤田岳彦は以下について調べた。複素多様体上では等角不変な拡散過程が存在しholomorphic diffusionと呼ばれている。論文では.複素次元が2の場合にケーラー性と対称なholomorphic diffusionの存在性が同値であることを示し.また.対称なholomorphic diffusionが存在しないような多様体の例を挙げた.また.同様の問題を複素次元が3以上の場合について調べた。これらの研究は等角構造とフラクタルの関連を調べるうえにおいても基本的な結果であると思われる。
分担者の山崎昌男は.Morrey空間とBesov空間の両方の考え方を組み合わせて.Morrey空間を基礎とするBesov空間というものを構成し.その性質を調べ.その結果をNuvier-Stokes方程式に応用した。これらを名古屋大学の小薗英雄氏との共同研究として.C.R.Sci.Acad.Parisに発表した。
分担者の宮地晶彦は.主にCp^αという関数空間の性質を研究した。与えられた関数を2つの関数の積に分解する因数分解の問題やC^α_P(Ω)の関数をC^α_P(R^n)の関数に延長することに関する結果をMathematica Japonicaに発表した。
分担者の永島孝は主に第1階古典述語論理系およびそれを拡張した一種の無限述語論理系についての研究を行った。古典述語論理については.函数概念の扱いを研究し.その成果の一つとしてスコーレムの定理の新しい証明をHitotsubashi J.Arts Sci.に発表した。
【研究代表者】