格子、保型形式とモジュライ空間の総合的研究
【研究分野】代数学
【研究キーワード】
格子 / 保型形式 / モジュライ空間 / K3曲面 / エンリケス曲面 / カラビ・ヤウ多様体 / マシュー・ムーンシャイン / K3 曲面 / ジーゲルモジュラー形式 / 共形場理論 / 自己同型 / エントロピー / 傾理論 / モジュライ / 自己同型群 / moonshine / Borcherds 積 / Enriques 曲面 / 格子理論 / ムーンシャイン / モジュラー形式
【研究成果の概要】
多様体の対称性を広い観点から研究し、自己同型群が有限群となるエンリケス曲面の完全な分類、複素力学系と関連した多様体の自己同型の研究、球充填問題で有名なリーチ格子を用いたエンリケス曲面の研究を行い成果をあげた。また保型形式論を用いたモジュライ空間の研究を行い、特に重要な不変量である小平次元の決定を行った。近年提唱された新しいK3曲面のマシュー・ムーンシャイン理論における双対性を発見するなど、数理物理や表現論分野との境界領域でも成果を得ている。
【研究の社会的意義】
エンリケス曲面の研究で最も興味が持たれていた問題「有限自己同型群を持つ標数2のエンリケス曲面の分類」に決着をつけたことは、大きなインパクトを与えるものと考える。リーチ格子を用いたエンリケス曲面に関する成果は,これまでにない新しい視点を与えるもので学術的価値が高い。複素力学系的な自己同型の研究は力学系分野への波及効果が考えられる。モジュライ空間の小平次元の決定に関する成果は,Borcherds積を用いる点からも、学術的価値は高いと考える。マシュー・ムーンシャインとその拡張と見られるUmbralムーンシャインとの双対性を見出した点も新たな展開を生む可能性があり、波及効果は高いと考える。
【研究代表者】