確率過程論を用いた非完備市場における価格付け理論の研究
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
確率論 / 関数解析学 / 応用数学 / ファイナンス論 / 数理ファイナンス / 価格付け理論 / 非完備市場 / リスク測度 / 効用関数 / 同値martingale測度 / Orlicz space / semimartingale
【研究成果の概要】
Good deal boundsの研究に現れるショートフォールリスク測度に関する研究の総仕上げを行った.ショートフォールリスク測度とは,条件付請求権の売り手がうまく戦略を組んでショートフォールリスクをある閾値以下にできる最低価格を表す凸リスク測度である.このショートフォールリスク測度により,条件付請求権の価格の候補を求めることができる.
平成21年度の前半では,20年度までに得られた結果を,原資産価格過程が非局所有界である場合に拡張すると共に,admissible戦略が凸錘や凸に制約された場合についても論じることに成功した.さらに後半では,inf-convolutionに関する研究を行い,これをショートフォールリスク測度の表現の導出へ応用した.その結果,これまでに得られていたショートフォールリスク測度の表現は,Orlicz空間のうちOrlicz heartと呼ばれるものを対象としてきたが,これを完全に一般のOrlicz空間に拡張することに成功した.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2007 - 2009
【配分額】2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)