離散計算幾何学に関する共同研究
【研究分野】工学基礎
【研究キーワード】
計算幾何学 / 離散幾何学 / 地理情報システム / Voronoi図 / 三角形分割 / 凸多面体 / 地理データーベース / 地理データベース / クラスタリング / 点位置決定問題 / 計算幾何 / 離散幾何 / 配送計画 / 3角形分割 / マルチメディア探索 / 列挙と数え上げ
【研究成果の概要】
コンピュータによる図形処理の高速化はマルチメディア時代には必須のものとなっており,幾何構造の情報を計算機によって効率良く扱うことが非常に重要である.このような状況の中で,幾何構造のコンピュータによる高速処理の観点から離散的な側面での処理の有用性に着目し,離散計算幾何学に対する情報工学における統一的研究を行ってきた.
理論面においては離散計算幾何の基礎構造である凸多面体理論に関する計算の理論の展開や幾何構造の基本概念である単体的複体モデルとしての三角形分割に関する研究を行った.応用面ではマルチメディアの中でもGIS(地理情報システム)に重点をおいて研究を進めた.本研究は国際学術研究としてカナダと日本の計算幾何グループの共同研究としてスタートしたので,カナダのMcGill大学と交流を行いながら,共同研究を行ってきた.
インターネット技術の普及に伴って,Web地図におけるラベル配置問題がGISの分野で注目されているが,実際的な立場から,地図上の建物などをあらわす点や道路や鉄道などに対応する線に自動的にラベルを配置する計算機実験を行った.また,GISにおいては幾何構造だけでなく統計データも同時に与えられる.そこで,近接関係を表す代表的構造であるVoronoi図を統計パラメタ空間へ拡張し,そこでの幾何構造がEuclid空間の場合と基本的に同じであることを示し,GISにおける幾何近接関係と様々な統計解析とを融合した構造を扱えるようになった.また,そのようなデータを解析する手法,特にクラスタリングに関する研究をおこなった.
上記のような3年間に渡る研究の成果は国際会議や研究論文などとして発表した.
【研究代表者】