流体問題および関連した境界値問題に対する適切性・正則性・数値解法の妥当性の研究
【研究キーワード】
ナビエ・ストークス方程式 / プリミティブ方程式 / 領域摂動誤差 / 不連続ガレルキン法 / 動弾性体方程式 / 接触・摩擦境界条件 / Navier-Stokes方程式 / 摩擦型境界条件 / 有限要素法 / 誤差評価 / 領域摂動
【研究成果の概要】
(1) 大気や海洋のように、水平方向のスケールが垂直方向のスケールよりも大きな場合(数学的にはアスペクト比0の極限において)、流体の運動を表すナビエ・ストークス方程式から静水圧平衡を満たすプリミティブ方程式が導出される。この議論の数学的正当化は、周期境界条件の場合について知られていた。我々は物理的により重要な滑りなし条件の場合でも同様の結果を得ることができた。
(2) 不連続ガレルキン(DG)法は有限要素法の一種で、隣り合う要素間で不連続な基底関数を許容することにより、自由度の高い近似空間を実現する手法である。近似したい偏微分方程式の解は要素間でも滑らか(連続)になるものを想定するが、連続性の条件は関数空間でなく弱形式にペナルティー項として反映されているという特徴がある。通常のDG法のスキームでは各要素がつぶれていないという正則性条件が必要だったが、我々は外接半径条件という緩いメッシュ条件で通用するDG法のスキームを開発することに成功した。
(3) 領域内部と境界上で楕円形偏微分方程式を考え、それら2つがノイマン作用素を通じて相互作用するモデルを一般化ロバン境界条件という。一般化ロバン境界条件は、流体構造練成問題の次数低減モデルや、近年注目を集める動的境界条件問題に対するプロトタイプとして登場し、曲がった境界を持つ一般領域における理論数値解析の結果を確立することは重要な課題となっている。我々は、曲がった境界を多角形近似することで生じる領域摂動も考慮し、有限要素法の誤差評価を導くことに成功した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)