可積分系の離散的方法を基盤とした非線形波動解析のための計算アルゴリズムの開発
【研究キーワード】
自己適合移動格子スキーム / 構造保存型差分スキーム / 応用可積分系 / ソリトン / パフィアン / 離散可積分系 / 可積分アルゴリズム / 2次元非線形波動パターン / 可積分系 / ローグ波 / 2次元波動パターン / 三角形分割 / 離散微分幾何 / 離散数理構造
【研究成果の概要】
今年度は主として以下の問題に取り組んだ.
(1) 解構造を保存する離散化,自己適合移動格子スキームの構築と実装に関する研究.大変形問題に対する数値計算法として有効な自己適合移動格子スキームは,これまで非零境界条件には適用が困難であったが,前年度にその困難の克服ができる実用的手法を探索し,最終的にそれを見出すことに成功した.本年度はそれをさらに前進させ,より多様な方程式に適用できるように理論を整備した.また,これまで困難であった多成分短パルス方程式の解構造を保ち空間と時間を共に離散化する全離散化に成功した.また,前年度から行なっている感染症の数理モデルの解構造を保存する離散化にも引き続き取り組んだ.
(2) Pfaffian解を持つHungry Lotka-Volterra型方程式およびBKP方程式についての研究.Pfaffian解を持つHungry Lotka-Volterra型方程式のソリトン解を構成し,ソリトン相互作用の詳細を調べた.また,前年度から引き続き2次元ソリトンパターンの分類問題,特にBKP方程式のソリトン解の分類に適した形の解の表示を用いBKP方程式のソリトン相互作用を調べる研究も行ったが,この成果をPfaffian解を持つHungry Lotka-Volterra型方程式のソリトン相互作用の研究に有用であることがわかった.
(3) 遅延ソリトン方程式の研究 離散KP方程式から遅延ソリトン方程式およびソリトン解を構成する方法についての研究を行い,新たな可積分な遅延ソリトン方程式を見出した.
新型コロナウイルスの感染拡大によって研究の進捗状況に遅れがでているが,次年度に上記の結果をまとめ,論文として出版する予定である.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
太田 泰広 | 神戸大学 | 理学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
筧 三郎 | 立教大学 | 理学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)