流体を記述する非線型偏微分方程式系の数学解析
【研究分野】解析学
【研究キーワード】
非線型偏微分方程式 / 圧縮性粘性気体 / Duffing方程式 / 倍周期分岐 / Kummerの合流型微分方程式 / Schrodinger作用素 / ブラウン運動 / Airy型微分方程式
【研究成果の概要】
流体力学に現れる様々な非線形偏微分方程式系の解の構造について考察し、以下の様な成果を得た。
1)代表者松村は愛媛大学:柳と共同して、有界区間上での一次元圧縮性粘性気体の等エントロピーモデルに対する時間周期界を考察し、任意の有界な外力に対し比熱比が1に近ければ解は時間一様に有界であることを示した(論文[Uniform...])。これは周期解の存在を示す基本評価である。次に、この気体方程式に密接に関連するDuffingの常微分方程式に対し、鹿野忠良、古谷真一、小松幸恵等と協力し、ある周期外力の族に対し、無限に多くの周期解の倍周期分岐が存在することを示した(論文[A period-doubling...])。
2)伊達悦朗はKummerの合流型微分方程式、またはその多変数化のq-変形であるq-差分方程式系の隣接関係式について調べ、その生成する代数を決定した(論文[On cotiguity...])。
3)磯崎洋はSchroedinger作用素の多次元逆散乱問題を考察し、方向に依存するグリーン関数につて超局所解析の立場から新たな結果を得た(論文[Multi-dim...])。
4)厚地淳はブラウン運動を考察し、その非有界領域からの最小脱出時間の末尾分布の宣漸近挙動が、ある種の領域の幾何的量によって決まることを示した(論文[Notes on...])。
5)大山陽介は、ある3階のAiry型の微分方程式のWKB解を考察し、接続問題や無限遠のまわりのStokes係数を計算した(論文[WBK...])。
6。小松玄は平地健吾と共に、Bergman核の特異性の不変表現に関し新たな結果を得ると共に近年の成果についての概説をまとめた。
【研究代表者】