K3曲面の群論的・数論的側面
【研究分野】代数学
【研究キーワード】
超ケーラー多様体 / K3曲面 / 双有理型変換群 / サーレム多項式 / モーデル・ヴェイユ群 / エントロピー / 非可換自由群 / 準アーベル群 / 双有理変換群 / 有限可解群 / 6次交代群 / リーチ格子 / 自己双有理型変換群 / サーレム数
【研究成果の概要】
K3曲面及びその高次元版である超ケーラー多様体の双有理型変換群の群論的側面について,サーレム多項式を媒介した数論的考察や力学系からの視点を加味することで調べ,次の定理を得た:
定理1.非射影的超ケーラー多様体Mの双有理型変換群BivMは階数が高々max(1,P(M)-1)の準アーベル群である。より詳しく,NS(M)が放物型であれば階数が高々P(M)-1,楕円型であれば,有限群又は有限群をZで拡大した群である。
定理2.Mを射影的超ケーラー多様体,GをMの双有理変換群BivMの部分群とする.このとき,Gは次のいずれかをみたす:
(i)Gは階数が高々max(1,P(M)-2)の準アーベル群(ii)G>Z*Z
定理3.Gのすべての元のエントロピーが0ならば,Gは準アーベル群である.
定理4.MがMordell-Weil群の階数が正であるような2つのJacobian fibrationsをもては,G>Z*Zである。P(5)=20のK3曲面S及びそのHilbert scheme S^<(n)>はこの条件をみたす.
【研究代表者】