高次元双有理幾何の分類に関する諸問題
【研究分野】代数学
【研究キーワード】
Qコニック束 / K3曲面 / 端末特異点 / 因子収縮射 / フロップ / 複素シンプレクティック多様体 / ファノ多様体 / 極小モデル理論 / 端射線 / del Pezzo曲面 / 逆同伴 / 乗数イデアル / ポアソン変形 / モジュライ空間 / シンプレクテイック特異点 / 変形 / 対数的標準特異点 / b関数 / フリップ / 標準特異点 / general elephant予想 / 因子収縮写像 / 導来圏 / Fano多様体 / Zariski分解 / Chow群
【研究成果の概要】
森はProkhorovと共同で,端末的3次元Qコニック束の底曲面の特異点に関するIskovskikh予想を証明し特異点上のファイバーも分類した.向井は次数24の原始的に偏極付けられたK3曲面の具体的記述を与え、モジュライと普遍族の単有理性も証明した.並河は向井フロップに対して連接層の導来圏の圏同値を明示した.また,射影的複素シンプレクティック多様体について,変形による非特異化可能性とクレパント特異点解消の存在の同値性を示した.中山は代数多様体の因子の数値的研究を出版した.藤本圭男と共同で,次数>1の全射自己写像を持ち小平次元が非負な3次元非特異射影的代数多様体の構造も決定した.川北は,因子を指数>1の点に潰す3次元因子収縮射の明示的研究を出版し,対数的標準性に関する逆同伴定理も証明した.小木曽は,細野,Lian, Yauと共同で,複素射影K3曲面のFourier・向井対の個数を与える明示的公式を示した.複素K3曲面に作用しうる最大の有限可解群も決定した.高木は,端末商特異点のみを持ち、指数>1の第1種3次元ファノ多様体のうち,反標準系に関するgeneral elephant予想が成立するもの全てを分類した.齋藤は,Budur, Mustataと共同で,単項イデアルのb関数に対する組み合わせ論的公式を与え,任意のイデアルに対するb函数を定義し,乗数イデアルとの関係も証明した.阿部は、非特異な代数曲線が結節的曲線に退化するときに行列式束が固定されたベクトル束のモジュライがどのように退化するかを調べた.早川は,指数>1の3次元端末特異点のエコノミカル爆発の存在に関するReid予想を,修正のうえ証明した.海外共同研究者である、松木は川ノ上帆と共同の正標数の特異点解消を目指すプログラムにおいて.不変量を改良し終止予想の回避することに成功し公表した.
【研究代表者】