不連続Galerkin有限要素法の数学理論の新展開
【研究分野】数学基礎・応用数学
【研究キーワード】
不連続Galerkin法 / 有限要素法 / 楕円型方程式 / 放物型方程式 / 非線形問題 / 誤差解析 / 構造保存型数値解法 / 発展方程式 / 数値解析 / 有限体積法 / 不連続ガレルキン法 / 楕円型界面問題
【研究成果の概要】
有限要素法(FEM)と有限体積法(FVM)の長所を両立した高精度拡張版である不連続Galerkin法(DG 法)およびハイブリッド型のDG法(HDG法)に対して,その数学的基盤理論を確立した.特に,理論だけ作って応用は計算現場に任せる,という消極的な立場を超えるため,具体的な応用を設定した上で,要請される基礎理論の構築を行ったことが本研究の特徴である.具体的にはFEMやFVMでは困難の多い,異方拡散問題や数理生物に現れる非線形移流拡散,退化拡散問題,時間非定常問題に対して,構造保存(流束,正値性,エネルギーなど)と解析理論(実用的な意味での安定性と収束性など)を両立した計算手法を構築した.
【研究の社会的意義】
偏微分方程式の数値計算に基づくシミュレーションは,現代における最も強力な科学技術の一つであり,数学的な立場からの数値計算方法の研究(数値解析)は,これらの科学技術の屋台骨を支える基盤と言える.しかし,数学者と技術者では,研究の方向性が異なり,実際,経験に大きく依存した大規模計算によるスピード感ある研究に,数値解析の理論が追い付けてなかった.しかし,この溝を放置すれば,数学的方法における数学の不在に繋がり,発展は頭打ちとなるであろう.本研究は,数学理論のこの溝を埋めつつ,数値解析自体の更なる深化を実現した.
【研究代表者】