力学系の大偏差原理とマルチフラクタル解析
【研究分野】大域解析学
【研究キーワード】
力学系 / 大偏差原理 / マルチフラクタル / 可微分力学系 / マルチフラクタル解析 / 力学系理論
【研究成果の概要】
多項式写像に代表される有界閉区間上の可微分力学系に対して、大偏差原理が成り立つための判定条件を得た。すなわち、平坦でない多峰写像力学系が、3つの性質:(1)特異値における微係数の時間発展に関する指数的増大性;(2)特異軌道の劣指数的回帰性;(3)位相完全性を持てば、レベル2の大偏差原理が成り立つことが示された。このことから、例えば、ほとんどすべての絶対連続不変確率測度を持つ2次写像力学系に対して、大偏差原理が成り立つことがわかる。また、この2次写像力学系に対して、Birkoff平均に関するマルチフラクタル・スペクトルの熱力学形式論を用いた具体的表示を与え、その連続性を示すことができた。
【研究代表者】