データ駆動型シミュレータに基づく自然災害リスク解析技術の開発
【研究分野】統計科学
【研究キーワード】
時空間統計 / 自然災害 / リスク解析 / 台風 / 地震動 / ガウス過程モデル
【研究成果の概要】
本研究課題は,[課題1] モデリング手法,計算アルゴリズムの開発,[課題2] 台風データ駆動型シミュレータの開発,[課題3] 地震動データ駆動型シミュレータの開発の3つのサブ課題に分けて進めている.
[課題1]では,データ駆動型シミュレータの核となるシナリオ生成モデルを推定する際に問題となっていた,複雑なモデルに置けるモデルパラメータ推定の問題に取り組んだ.データ同化で用いられるアンサンブルデータ同化の手法に基づき,複雑な時間発展モデルの推定を実現する反復型のアンサンブル変分法アルゴリズムを導出した.さらに,動径基底関数ネットワーク (radial basis function network; RBFN)などのモデルパラメータ推定に適用してその有効性を確認した.
[課題2]では,これまでに構築したシミュレータを用い,様々な条件下でのシミュレーション実験を進めた.一方,エコーステートネットワーク (echo state network; ESN)に基づいた新たな台風データ駆動型シミュレータの構築作業も進めた.ESNはパラメータ推定が容易で扱いやすいモデルだが,出力変数を入力にフィードバックさせた時に出力にバイアスが生じうる問題があった.しかし,課題1で開発したアンサンブル変分法を用いてバイアスを修正することで,予測性能が改善することを示唆する結果が得られた.
[課題3]では,ガウス過程モデルに基づいた地震動のモデル構築を進め,地震の本震直後の複雑な余震活動を安定して信用区間つきで表現できることを明らかにした.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
伊藤 耕介 | 琉球大学 | 理学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
長尾 大道 | 東京大学 | 地震研究所 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2022-03-31
【配分額】11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)