東南アジアの環境問題と国際協力のあり方に関する研究
【研究分野】環境保全
【研究キーワード】
環境協カ / 環境技術 / 東南アジア / 環境問題 / 技術移転 / 事業評価 / 環境クズネッツ曲線 / 環境協力
【研究成果の概要】
本研究プロジェクトは、社会経済グループと技術グループとの協力・共同により、東南アジアの環境問題と日本の国際協力のあり方に関する調査研究を行った。
山下は1997年9月にタイ、ベトナムにおける経済成長と環境ニーズに関する調査を行い、浜渦は1997年9月にフィリピンにおいて石炭火力発電所の大気汚染対策の調査を行った。中越は1997年9月にマレーシアにおける森林管理の現状について調査を行った。松本は、研究代表者の松岡とともに、1997年8月にタイ、ベトナムにおける環境ニーズと環境ODAに関する調査を行った。また、山口、成田は、日本国内において、日本の公害対策の歴史と背景についての調査研究を行った。
以上の調査研究をふまえて、最終報告書では最初に、経済成長と環境問題に関する仮説である環境クズネッツ曲線の成否について、検証を行った。検証の結果、経済成長と環境問題との関連には多様なタイプがあり、環境問題の推移には経済成長だけでなく、制度面や技術面などの様々な要因が関係することを明らかにした。続いて、東南アジア各国の経済成長とエネルギー消費の関係の変化のパターン分析を行い、それぞれの経済成長を特徴づけた。また、大気汚染対策や水質汚濁対策、森林資源管理などの環境協力プロジェクトの現状と日本における公害対策の歴史について考察を行った。
最後に、本プロジェクトのまとめとして、環境協力に係わる制度間比較を行い、今後の環境協カのあり方について検討した。環境問題の発生メカニズムは多様であり、問題解決に向けた国際協力は、従来の中央政府間協力に加えて、地方自治体や民間企業、大学、NGOsなどの様々な主体がそれぞれの特質をいかして、協力を行っていくことが必要であるとの結論を得た。
【研究代表者】