未活用資源鉱物からの高機能性環境浄化素材の創製および評価システムの構築
【研究キーワード】
未活用資源鉱物 / 環境浄化素材 / ゼオライト / 粘土鉱物 / ジオポリマー / スペクトルカメラ / 画像解析 / マテリアルズ・インフォマティックス / 無機環境浄化素材 / イオン交換・固定 / 時系列迅速評価
【研究成果の概要】
諸反応活性や賦存量および経済的優位性が認められていながら、素材原料としては未活用であり、我が国に十分な鉱量で産出する粘土鉱物、火山灰、土壌鉱物等の天然資源鉱物から、特異なイオン吸着固定特性や触媒活性を有する新規の無機環境浄化素材を探索してその調製プロセスを確立し、その効果の実用的評価法を構築する。すなわち、既存のゼオライト、粘土鉱物、層状複水酸化物等で、既存の環境浄化プロセスに利用されている規則型ナノ細孔質無機素材とは異なる、有害イオンに高選択性で回収・固定機能を有する新規無機環境浄化素材およびその合成法の候補を、従来の試行錯誤的なコンビナトリアル実験によらない、マテリアルズ・インフォマティックスを駆使した探索システムを構築し、実施した。
次に、探索で候補とされた高機能性が期待できる対象無機素材を、やはり最適候補として選択された産地の天然資源鉱物を原料として、出来る限り有機構造規定剤を使わない(SDA-free)グリーン合成法で、高収率の単相合成法を確立し、未活用の化学工学的に最適な調製プロセスの確立ができた。
さらに、得られる対象無機素材のバルク試料について、機能性を非破壊、迅速、高分解能で定量的に評価するために、ハイパースペクトルカメラおよびサーモグラフィーカメラをセットしたヒートステージ上にマウントしたバルク試料について、多波長領域2次元画像およびサーモグラフィー画像の同時収集を行い、素材組織および重金属イオンの吸着・拡散挙動を時分割で速度論的に評価する基本システムを構築した。
さらに、何種かの重金属イオンを含有する模擬排液およびVOCガスについて、本研究において作製したバルク吸着剤を最適条件で接触させ、重金属イオンおよび有害ガス分子の流動・拡散および触媒分解挙動を、時分割測定の画像解析で評価を行う基本システムを構築した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)