醸造業による農村工業化と和食文化の形成に関する地域比較研究
【研究分野】経済史
【研究キーワード】
醤油醸造業 / 酒造業 / 地域経済 / 資産家 / 和食 / 東海 / 関東 / 東北 / 北海道 / 農村工業 / 在来産業 / 近世 / 近代 / 経済史 / 日本史
【研究成果の概要】
本研究では、東海地域班、関東地域班、東北・北海道地域班に分かれて研究を進めているが、東海地域班においては2019年8月24~25日及び繰越予算を使って2020年9月6~7日に愛知県半田市の旧醤油醸造家小栗家(旧萬三商店)及びかつての料亭末廣の史料調査を行い、近代における醤油の製造者、購入者両面からの考察を行っている。また9月1~2日及び12月14~15日に、東海地域に近い北陸の醤油醸造業者である富山県射水市の片口家の史料調査を行い、東海地域の醤油醸造業の影響や他地域の醤油醸造業との比較を行っている。
関東地域班においては、2019年4月3~4日に千葉県銚子市のヤマサ醤油株式会社本社の史料調査を行い、近代の業務報告書、製造工程関係史料、地方販売関係史料などの整理、撮影を行った。また7月20日に野田市の旧醤油醸造家髙梨家の史料調査を行い、近世の原料調達などこれまでの同家の研究で手薄であった分野の史料の閲覧、撮影を行った。また、千葉県香取市の石橋酒造場の調査を行い、主に技術面の考察を行っている。さらに、2020年1月には千葉県柏市の醤油醸造家吉田家史料の調査を3度行った。
東北・北海道地域班においては、2019年8月21~23日に青森県八戸市立図書館所蔵甲文醤油史料の撮影を行い、同史料群の撮影を終えた。また、8月24~26日及び2020年2月18~19日に青森県野辺地町立歴史民俗資料館所蔵野坂常吉家史料の調査を行い、醤油の販路に関する史料の閲覧、撮影を行った。さらに、2020年2月15~17日に、八戸市立図書館蔵矢幅家文書の醤油・味噌醸造関係史料を閲覧、撮影した。
その他、醤油醸造業の地域間比較の意味で、2019年9月9~12日に大分県中津市の醤油醸造家室屋文書の整理、閲覧、撮影を行った。
上記各地での調査、史料分析を踏まえ、2019年7月28日及び12月21日に研究会を行った。
【研究代表者】