パッシブサンプラーを用いた温泉水中溶存ガスの時空間分布の観測
【研究キーワード】
溶存ガス / 地下水 / 地震 / 火山
【研究成果の概要】
地下深くからもたらされる温泉水には地球深部由来の成分を多く含んでおり、溶存ガスの組成比や同位体比はその起源や挙動について有益な情報をもたらす。本研究では気体透過膜を使った受動拡散サンプラーを用いて、深さ約300mの温泉井戸において任意の深さから溶存ガスを採取し、その組成比や同位体比の鉛直分布および経年変化を明らかにすることに成功した。特にヘリウムや二酸化炭素の同位体を分析することで、マグマ由来の物質が供給されていることを明らかにした。
【研究の社会的意義】
本研究で採用した受動拡散サンプラーを用いた方法は、従来の試料採取とは異なり、採水の必要がないため他の場所からの汚染がなく、特殊な知識や器具が必要ないこと、分析においても溶存ガスを分離する手間がなく簡便であるため、地下水の溶存ガスを観測する上で多くの人の役に立つことが期待される。また温泉水の溶存ガスを時空間的に観測することで、地震や火山の活動を解明する手がかりとなる可能性があることを示すことができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
柴田 智郎 | 京都大学 | 理学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)