GISを基盤とした水関連データの構造化による水環境マネジメント・プラットフォーム
【研究分野】環境影響評価・環境政策
【研究キーワード】
GIS(地理情報システム) / Arc Hydro / プラットフォーム / 水環境 / 流域管理
【研究成果の概要】
水環境関連データに関する基礎的な調査と情報収集、データの構造化に向けての検討を行った。
(1).水環境関連データおよび利害関係者に関する情報の収集と整理、構造化に向けて、研究対象地である神奈川県全域および県へ流入する桂川流域および酒匂川上流の国、県、市町村、財団法人等へのヒヤリング調査を行い、紙地図・紙資料およびデジタル形式の資料収集と整理を行った。(2).関連機関および市民団体等を含めた利害関係者に関する実態調査を行い、UML(Unified Modeling Language)などの標準的記述言語を用いて、相互関係性の記述と構造化を行った。(3)紙媒体の水環境データをデジタイジングして従来型のGISデータを作成するのではなく、流向や水量、水質などの属性データが付加され、高度にネットワーク化された構造化された高度なGISデータベースを構築した。これにより上流や下流の全属性データをトレースすることができるため、流域の土地利用状況や排出される汚染物質の量などを上流から下流にかけて累計的に算定することを可能とした。(4).本データベース構築では、ArcHydroという先端的な時空間・水データモデルを基盤としているが、日本型のデータベースに合わせるためにカスタマイズや機能拡張の実装を行った。(5).米国の先進的な水管理の活用事例調査を実施して、ArcHydroデータモデルの最新状況を論文と纏め上げ、広く日本の研究者へその状況を報告した。(6)。本調査を通して、米国テキサス大学の水GIS研究グループおよびGIS開発企業ESRI社の水資源チームとの交流を深める中で、テキサス大学David Maidment教授の著書『Arc Hydro-GIS for water resources』の翻訳出版件を取得し、翻訳作業を進めた。本書は、日本語版として平成19年度中に出版される予定である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)