インフォーマル化するアジア:グローバル化時代のメガ都市のダイナミクスとジレンマ
【研究キーワード】
インフォーマリティインフォーマリティ / メガ都市メガ都市 / アジアアジア / グローバリゼーショングローバリゼーション / 社会保障 / インフォーマリティ / メガ都市 / アジア / グローバリゼーション / デジタル化 / 再開発
【研究成果の概要】
第1に、本研究の鍵となる「インフォーマリティ」の概念の検討とすり合わせを行った。その一環として、先行研究のサーベイに加えて、各国の行政による定義や国際機関の議論についても整理した。2010年代に入り、欧米では「インフォーマリティ」研究が再び活性化しており、また各国の政府でも概念が浸透しつつある。ただし、経済学、文化人類学、社会政策論、政治学の各分野が使用している概念は、むしろ多様化・専門分化が進んでいる状況が明らかになった。さらに、アジアとラテンアメリカでは注目されている側面が異なっている。
第2に、参画メンバーで合同予備調査をバンコク、およびマニラで実施した。国家統計局や政府機関への聞き取り、コミュニティや撤去後の移転地、インフォーマル経済従事者や移民労働者へのインタビュー(ギグエコノミーを含む)などを行った。
第3に、参画メンバーの個別の研究では、インフォーマルな交易におけるデジタル技術の活用とシェアリング経済の動向(香港のタンザニア人商人など。研究成果である単著が2つの賞を受賞)やデジタル化によるインフォーマリティの新しい変化について(経済とGVCチーム)、デジタル化や人口動態に伴う労働市場の変化と格差の動向、社会保障の対応(労働と社会保障チーム)、インフォーマル居住地の撤去と貧困層の孤立化の政治への影響や、選挙に見るインフォーマリティの動き(再開発と政治チーム)の研究を進めた。
第4に、国際学会での報告(たとえば、ヨーロッパ東南アジア学会:EuroSEASでは、ドイツ・ケルン大学の研究者と共にパネルセッションを企画・報告)や、チュラーロンコーン大学(タイ)、都市研究センター(インドネシア)の研究者などと研究交流を行った。また、ケルン大学(ドイツ)やフィリピン(ホーリーネーム大学)の招聘を受け、客員研究員となったメンバーが、現地の研究者とのネットワーク強化を進めた。
【研究代表者】