複雑系の構成論および計算論のための実験数学
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
高次元カオス力学系 / 脳のダイナミクス / プログラム生態系 / 非線形微分方程式論 / カテゴリー論 / 論理-力学系変換 / 内部観測 / 数理構造 / カオス的力学系 / 論理 / 結合写像格子 / 確率過程 / 幾何学 / セル力学系
【研究成果の概要】
複雑現象の数理的理解を深め,現象の数理学的構造を抜き出すことにより,実験数学の方法を確立することを目的に研究集会を行なった.取り扱かった複雑現象は,脳神経系,特に,海馬の錐体細胞の動的挙動,運動系の動的制御であり,さらに,雲の形成,経済現象,細胞分化,タンパクの機能発現部位をダイナミクス等多岐にわたった.
これらを研究する方法としては,カオス結合系,種々のダイナミクスを生み出すニューラルネット,種々のプログラムが動的に相互作用するプログラム生態系,非線形微分方程式論,確率過程とカオス力学系を結びつける新しい確率論,変分法,論理とカテゴリー論,論理と力学系の変換に関する一般論等が挙げられた.
複雑現象に共通する数理的構造として,高次元多様体の構造,種々の論理に関係する代数構造,さらには,特別な関数空間の構造等がうきぼりにされ,今後の詳しい構造研究が必要であることが認識された.
さらに,内部観測の重要性が指摘された.観測者が,環境と不可避的に相互作用するために,観測者と環境が一体となった系の研究が,複雑系の数学の重要な研究課題になるとの共通認識が得られた.
【研究代表者】