多様性の経済学:帰納論的ゲーム理論の構築とその応用
【研究分野】理論経済学
【研究キーワード】
ゲーム理論 / フラットダイバーシティ・モデル / 障害 / 難病 / 性的マイノリティ / 多様性 / フラットダイバーシティ / フラット・ダイバーシティ・モデル / マッチング・モデル / 帰納論的ゲーム理論
【研究成果の概要】
前身の研究で行ったパネル調査において、身体障害者の賃金プロファイルがフラットとなっていることがわかった。これに基づき、2009年度実施の調査(READ調査)にパネル調査(REASE調査)のサンプルを加えてパネル構造にし、先天性障害者と中途障害者の賃金プロファイルを推計して比較することで、障害者に対する統計的差別の有無を検証する研究を遂行している。
READーREASE調査の一時的基礎分析において、障害者が就労する時に困っていることを質問したところ、身体障害者・ろう者、知的障害者において「労働時間の調整」に配慮が必要だがなされていないことが明らかになった。そのため、社会生活基礎調査の比較可能な年次を使用して、障害者の就業における「時間制約」と貧困との関係を女性のそれと比較することで、障害者の就労に対する合理的配慮に「労働時間」が必要となるか否かを検証する研究を遂行している。
東北地方の性的マイノリティ団体に関する調査を継続し、2021年2月に『東北地方の性的マイノリティ団体活動調査報告書』(360頁、杉浦郁子・前川直哉編)を刊行した。東北地方の性的マイノリティ団体に関する本格的な学術調査報告書としては初めてのものであり、地域性や他地域との比較、東日本大震災の影響等を分析・考察する上で基盤となる質的調査として高い重要性を有する。
障害を理由とする差別の解消の促進に関する法律(障害者差別解消法)及び障害者の雇用の促進等に関する法律(改正障害者雇用促進法)が施行されたことを受け,2010年度に行った調査に続き,第3回の「聴覚障害をもつ医療従事者の会2020年(第3回)就労実態調査・研究」を行った。従来の結果との比較検討,さらに2010年代に施行された各関係法規の効果や社会変容の程度の測定,経済状況等を含め,現時点における就労の実態と課題を明らかにしつつある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
前川 直哉 | 福島大学 | 教育推進機構 | 特任准教授 | (Kakenデータベース) |
星加 良司 | 東京大学 | 大学院教育学研究科(教育学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2022-03-31
【配分額】42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)