フェニルプロパノイド系ポリフェノールが腸管を介して脳機能を改善する効果の解明
【研究分野】食生活学
【研究キーワード】
アルツハイマー病 / ロスマリン酸 / 食品 / 脳・神経 / 農林水産物 / 老化 / ポリフェノール / 脳神経疾患 / 痴呆 / フェニルプロパノイド / 抗アルツハイマー病
【研究成果の概要】
ポリフェノールにはアルツハイマー病(AD)を予防する疫学的知見が報告されているが生体内でのメカニズムは不明なことが多い。ADモデルマウスに、ロスマリン酸(RA)を摂食させると、脳内アミロイドβ(Aβ)の凝集が抑制された。本マウス脳のトランスクリプトミクスによりRA群において、脳内でAβ凝集抑制活性を有するモノアミン類の濃度が上昇する可能性が示唆された。野生型マウスを用いた試験では、RA摂食によりこの化合物の濃度が上昇し、さらにその分解酵素の抑制が示唆された。以上の結果からRA摂食により脳内においてモノアミン類の濃度が上昇することにより、ADを予防している可能性が考えられた。
【研究の社会的意義】
野菜や果物を多く摂取し、ポリフェノールを多く含む食品を摂取する食習慣がAD発症予防に繋がる可能性が、多くの論文により示されている。しかしこれらについては疫学的な知見が多く、メカニズム等の科学的なエビデンスは少ないのが現状である。本研究は、シソやローズマリーに含まれるポリフェノールの一種、ロスマリン酸を摂取すると、脳内で一部のモノアミン類が濃度上昇し、それらがAβ凝集を抑制するという、新たなメカニズムを見出した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
山田 正仁 | 金沢大学 | 医学系 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)