幼児の口臭に関わる生活要因とその対策
【研究分野】生活科学一般
【研究キーワード】
幼児 / 生活リズム / 口臭 / 硫化水素 / メチルメルカプタン / 生活指導 / 硫化水素濃度 / メチルメルカプタン濃度 / 朝食摂取 / 歯科保健指導 / 口腔内衛生 / 朝食 / 排便
【研究成果の概要】
平成19年度は、協力が得られた保育園において、4歳児と5歳児計36名を対象として、子どもたちの生活調査ならびに口臭濃度の測定を行うとともに、得られた結果より、子どもたちの問題改善に向けた歯科保健指導ならびに生活指導を展開した。とくに、口臭濃度と関連性の強かった生活要因(朝食摂取)について、講演や個別懇談時に、子どものデータを説明しながら保護者への指導や支援を行った。
その結果、口臭濃度については、年度始めには、硫化水素は4.57±6.61ng/10mlであったが、歯科保健指導ならびに生活指導後には、1.60±3.12ng/10mlに有意に低下し(p<0.01)、メチルメルカプタンも、0.98±2.19ng/10mlから0.33ng/10mlに低下した。なお、舌苔の付着量も現象した。
保育者および保護者に対する歯科保健指導と口臭濃度と関連のみられた朝食摂取について、重点的な指導を行ったことで、その有効性が示されたと言えよう。つまり、口腔清掃や朝食摂取の改善によって、保護者の健康に関する意識の高まりとともに、子どもたちの口腔内が清潔に保たれるようになった。
さらに、保育現場と家庭において役立てていただけるよう、子どもの健康管理のための指導マニュアルを、共同研究者全員で執筆・作成した。作成したマニュアルについては、本研究報告書に添付して提出する。なお、本年度は、研究成果が学会研究紀要「保育と保健」に掲載され、学会・国際会議などでの発表を6回行った。
【研究代表者】