オセアニアの人類移住と島嶼間ネットワークに関わる考古学的研究
【研究キーワード】
貝製品 / CST土器 / ミクロネシアへの人類移住 / ポンペイ島 / レンゲル島 / 炭素年代測定 / 先史ミクロネシア / 土器の化学分析 / 貝の利用史復元 / 人類による島嶼移住 / 海洋適応 / 先ナンマトル期 / 国際共同発掘 / 人類移住 / 島嶼適応 / オセアニア / ミクロネシア / 土器文化 / 資源利用 / 新たな発掘調査 / 炭化物 / 発掘区の拡張 / 連携強化 / 人類の移住・拡散史 / ネットワーク研究 / オセアニア研究 / ポンペイ州
【研究成果の概要】
本年度もコロナによる影響により、計画していたミクロネシアでの共同発掘調査は実施することができなかったが、これまでの発掘調査で出土した考古学的資料の分析やデータ化、およびその公表においては一定の成果があった。資料の分析に関しては、分担研究者の山野らによる出土貝製品の分析や実測・撮影によるデータ化がかなり進んだほか、新たに貝製品のみを対象とした炭素年代測定を実施し、その多くが移住初期にさかのぼる物質文化であることを確認できた。土器については、分担研究者の山極や片桐による分析と他地域との比較検討を進めることができた。
こうした新たに得られた考古学的データを基に日本語での論文公表を行うことができた。この論文では初年度に実施した発掘調査の成果を軸に遺跡の年代、出土遺物の項目別の検討、とくに貝製品や貝類遺存体と土器を軸としたデータの整理と検討を行い、西ミクロネシアにおける人類移住と資源利用のあり方について議論を展開した。
一方、ミクロネシアにおける海外カウンターパートとの協力関係においては、コロナ禍のために共同研究の実施はできなかったものの、メールやzoomでの打ち合わせを通し、関係強化と維持を継続した。コロナの状況が好転した場合は、すぐに共同調査を開始できるための計画についても検討を行っている。
【研究代表者】