市民社会における記録とアーカイブズの意義に関する国際比較研究
【研究分野】社会学
【研究キーワード】
アーカイブズ / アカウンタビリティ / レコートマネジメント / ナレッジマネジメント / LGBT / 主権者教育 / 公文書管理 / 知る権利 / 説明責任 / 記録と記憶 / レコードマネジメント / サンフランシスコGLBT歴史協会 / マイノリティ・アーカイブズ / 個人情報保護 / マイノリティ / コミュニティ / アイデンティティ / ダイバーシティ / インクルージョン / 社会集団・社会組織 / コミュニティ意識 / コミュニティアーカイブズ / 地域アーカイブズ / NPO・NGO / ナショナルアーカイブズ / GLBT / マレーシア / イラン
【研究成果の概要】
研究チーム各メンバーが、分担して研究活動に当たった。主な調査地はアメリカ、マレーシア、イランである。アメリカでは主にサンフランシスコGLBT歴史協会の活動およびいくつかの企業アーカイブズを、マレーシアでは主に伝統的地域共同体におけるIT活用の手法を、イランでは主に環境保護の市民活動が政府情報を利用する手法を実地に調査した。またサンフランシスコGLBT歴史協会の主要メンバーを日本に招聘し、資料収集・保存・展示を軸としたミュージアム活動が性的マイノリティのコミュニティにどのような効果を及ぼすかをテーマに国内3か所で講演会を開催し、当事者を含め国内でアーカイブズに関心を持つ人々との成果交流を深めた。
【研究の社会的意義】
組織や社会の記録、特に公的記録である公文書については近年の我が国でも重大な関心が集まっているが、それはしばしば廃棄、隠蔽、改竄などといった、記録管理のネガティブな側面に偏していると言わざるを得ない。本研究では社会によって記録や情報はどのような位置づけを与えられているかという課題について、「その記録・情報は誰のものか」という問いを念頭に、複数の異なる特徴を持つ社会を対象に調査研究した。その結果、国家の体制として近代的な民主制をとっている国でも、民主制の基本となる記録の位置づけや重みは民間(市民社会)レベルで異なり、単純な先進/後進というのではない視点で考察する必要のあることがわかった。
【研究代表者】