長期の異なった食餌がグリコーゲンローディングに及ぼす影響
【研究分野】体育学
【研究キーワード】
グリコーゲン / 3-HAD活性 / 高脂肪食 / ラット / 中鎖脂肪酸 / 不飽和脂肪 / GLUT4 / 持久的トレーニング / グリコーゲン合成酵素
【研究成果の概要】
【目的】持久的運動選手の間では持久力を高めるため,あらかじめ筋グリコーゲンを高めておくグリコーゲンローディングという食事法が盛んに行なわれている.本研究では異なった脂肪酸組成からなる高脂肪食を長期に摂取した場合,グリコーゲンローディングにどのような影響を及ぼすかについて検討した.いずれの年度も実験動物としてWistar系雄ラットを用いた.
【平成13年度】初年度は動物性高脂肪食の影響について検討した.その結果,骨格筋の酸化系酵素活性は高脂肪食摂取により増大したが,グリコーゲンローディング後の筋グリコーゲン含量の増加は高脂肪食群で低かった.また,体脂肪量の増加や血中脂質の増加が認められた。
【平成14年度】動物性高脂肪食摂取は肥満や高脂血症を発現するため,植物性高脂肪食及び魚油系高脂肪食摂取の影響について検討した.骨格筋の酸化系酵素活性は高脂肪食摂取により増大したが,グリコーゲンローディング後の筋グリコーゲン含量に食餌による違いが見られなかった.筋グリコーゲン含量の増加にはGLUT4が関与するが,GLUT4含量に食餌による違いが見られなかったためと考えられる.魚油系高脂肪食では肥満や高脂血症が発現しなかった.
【平成15年度】摂取後速やかに酸化されると考えられている中鎖脂肪酸による高脂肪食摂取の影響について検討した.骨格筋の酸化系酵素活性は増大したが,グリコーゲンローディング後のグリコーゲン含量に差が見られなかった.体重は低下したものの,血中中性脂肪が著しく増加した.
【まとめ】長期の高脂肪食摂取は骨格筋の酸化系酵素活性を増大するものの,グリコーゲンローディング後のグリコーゲンに違いが見られず,高脂血症を発現するなど,スポーツ選手の食事として好ましいものではないと考えられる.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
樋口 満 | 早稲田大学 | スポーツ科学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)