血圧調節ホルモンをモデルとした最適トレーニング頻度の解明
【研究分野】体育学
【研究キーワード】
ラット / ANP / 腎臓 / 副腎 / 運動 / 右心房 / アルドステロン / 受容体 / 水泳 / 酵素免疫測定法 / 放射免疫測定法 / 心臓 / 血液 / 回復 / トレッドミル / 一過性の運動 / ウィスター系雄ラット / 第27回国際スポーツ医学会 / 時系列変化 / cGMP / グアニレートサイクレース / 血圧調節ホルモン / ラジオイミューノアッセイ / 血液中
【研究成果の概要】
運動中は血液循環が亢進するため、血圧は高くなる。これが限度を越すと心臓に過大な負担がかかったり、血管が破裂するであろう。しかし、実際にはこのようなことは簡単には起こらない。それは血管に作用する心房性ナトリウム利尿ホルモン(ANP)や、アンジオテンシンIIなどの血圧調節ホルモンが循環系を適切にコントロールしているからである。ところが、これらの血圧調節ホルモンの量が減少したり、これらのホルモンの情報を細胞内に伝える受容体の数が減少すると循環系の適切なコントロールが失われる。もし心臓中のANPの量が十分な量存在しないときに激しい運動を行うとすれば、循環系を適切にコントロールすることが難しくなり身体にとって危険な状態になる。そこで、ANPを中心とした血圧調節ホルモンが運動中にどのような速度で減少し、運動後にどのような回復過程を辿るのか、またこれらのホルモン受容体の運動中、運動後の動態を研究し、循環系にとって安全なトレーニング頻度を解明することを目指して研究を行った。その結果以下のようなことが分かった。ラットを長期間トレーニングすると副腎のANP受容体の減少、腎臓のANP二次情報伝達物質合成能の低下がみられた。一過性の運動をラットに負荷するとANPによるアルドステロン放出抑制作用が低下した。これらはいずれも運動中の水分保持に有利でありANPの作用を弱めるものであった。運動中、運動後の心臓ANP含量は右心房において著しい変化がみられたが、本研究で用いた3時間水泳では運動後24時間後に安静レベルまで回復することが分かった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小谷 泰則 | 東京工業大学 | 大学院・社会理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2003
【配分額】17,200千円 (直接経費: 17,200千円)