バイオ・テクノロジ-をめぐる法的諸問題の比較法的・総合的研究
【研究分野】民事法学
【研究キーワード】
バイオ・テクノロジ- / バイオ法 / 遺伝子組換え / 人口受精 / 営業秘密 / ライセンス契約 / 共同開発契約 / 研究・開発規制 / 遺伝子組替え / 財産的情報 / 人工授精 / 共同研究 / 共同開発
【研究成果の概要】
1 研究・開発規制の現状と問題点の検討 西ドイツおよび英国における新立法、米国における規制の現状と連邦議会における検討内容等を研究するとともに、わが国における研究・開発規制とりわけ遺伝子組替え体の開放系実験に関する規制のあり方につき検討を進め、主として、遺伝子組替え技術の社会的受容(パブリック・アクセプタンス)の観点から法的規制の是非を考察すべきであるとの視点を確立した。
2 ヒトの細胞および遺伝子の操作に関する問題点の検討 西ドイツにおける遺伝子工学法の制定、ヒトの細胞・組織の所有権に関する米国カリフォルニア州最高裁判決、人口生殖に関するフランス学説などを参考にして、法的規制のあり方を検討した。
3 知的財産権をめぐる諸問題の検討 昨年度来検討の対象としてきた営業秘密(Trade Secret)が立法化されたことを受けて、米国の裁判例等を参考にして、その運用上の問題点を検討した。バイオ・テクノロジ-の特許をめぐる解釈論上の問題点につき米国判例を検討した。植物バイオに関連して、UPOVの動きを考慮に入れつつ、特に種苗法と特許法との関係につき、検討を深化させた。
4 共同研究・開発契約をめぐる問題点の検討 「産官学共同開発の現状と問題点」を統一テ-マとして、秘密開示のあり方、成果物の帰属関係、独占禁止法上の問題点、契約締結上の留意点、契約違反に対する制裁のあり方等の論点をめぐり、民間企業・関係省庁等の実務担当者からのヒアリング、米国人弁護士による米国契約実務のレクチャアなどを踏まえ、検討を加えた。
以上の各項目に関する成果は、適宜別掲の雑誌論文等により公表したほか、その一部を研究成果報告書にとりまとめた。
【研究代表者】