南インド・タミル地域の社会経済変化に関する歴史的研究
【研究分野】東洋史
【研究キーワード】
南インド / 衛星情報 / チングルプット / 空間情報化 / 村落共有地 / 土地台帳 / 伝統芸能 / ヒンドゥー僧院 / ポンネリ / 衛星写真 / GIS / ヴィジャヤナガル / タミル / 社会構造変化 / 村落記録 / カースト / 地理情報化 / 刻文
【研究成果の概要】
1.本年度は、本研究の最終年度であり、成果報告書の作成のため研究会を実施し、それに関連する現地調査、および成果報告書のとりまとめを行った。
2.まず、6月に国内研究会を実施し、各研究報告に加えて、本年度の現地調査の目的と成果刊行について協議した。
3.これに関連し、柳澤悠、井上貴子、永田淳嗣、山下博司の4名は、それぞれ南インドのティルチラパッリ、タンジャーヴール、チングルプット、カーンチープラムにおいて現地調査を実施し、水島司と渡辺昭一はイギリスで史料調査を実施した。また、来日中のフランクハイドマンとは村落調査の調査項目について打ち合わせを行い、辛島昇は、招請したスッバラーヤル、シャンムーハム両氏と刻文の解析を進めた。柳澤は、19世紀以来の土地台帳の分析を基礎に、村落共有地の利用状況について調査し、井上は、伝統的芸能の維持と再生の社会環境に関して分析を進めた。永田は、衛星情報をもとに、チングルプット県内の土地利用パターンについてのモデル化を進め、山下はヒンドゥー僧院の経営について調査した。水島は、歴史情報の空間情報化の作業を進めると共に、18-19世紀の100年間の社会変動に関する電算機分析をほぼ終え、その成果の一部を国際会議で報告した。
4.こうした研究により,新たな多元的な南インドの国家像が得られた。それを成果報告として主に英文でまとめ、その内容について研究会を催して討議した。
5.成果報告は、今回提出したものをより完成度の高いものとし、英文で2001年にインドから出版する予定である。
【研究代表者】