海外基地の持続メカニズムの解明―経路依存性の析出
【研究キーワード】
米軍基地 / 日米関係 / 経路依存 / 基地の政治学 / 沖縄 / 同盟 / 安全保障 / 外交史
【研究成果の概要】
本研究の目的は、米国の海外基地の持続メカニズムを経路依存性の観点から実証的に解明することにある。2021年度は、戦後の北海道における米軍基地の撤退とその後の再使用(矢臼別演習場)の経緯について調査を実施した。具体的には、矢臼別演習場へのフィールド調査及び資料収集を行った。
その結果、2000年代以降、沖縄と北海道の米軍基地が運用上のリンケージを密にしていることが明らかになった。この問題は従来学術的には検討されてこなかったものであり、本研究課題である基地の粘着性とそのメカニズムを明らかにするうえで重要である。そのため、2021年度は沖縄海兵隊の北海道矢臼別演習場への移転計画等についての調査も実施した。
また、2020年度の成果である単著『基地の消長―日本本土の米軍基地「撤退」政策』(勁草書房2020年)を発展・継承するかたちで、沖縄における基地の固定化のメカニズムの解明に取り組むとともに、その成果を書籍にまとめる作業を実施した。その過程では関連する複数の史料を発見し、そのことが本研究課題の進捗をもたらした。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)