20世紀後半の東アジアの都市大衆文化における「アメリカ」の受容と反発
【研究分野】社会学
【研究キーワード】
メディア / 大衆文化 / アメリカ的価値 / 帝国 / 米軍基地 / 都市文化 / 映画 / 民間情報教育局(CIE) / 日米関係 / 消費文化 / 日韓関係 / テレビジョン / アメリカ化 / 親米・反米 / 戦後日本 / 占領期 / 都市空間 / 沖縄
【研究成果の概要】
第一に、戦後日本のアメリカによる占領期から60年代までの日本におけるアメリカニズムの重層的な作用について明らかにした。戦後日本のまなざしの重層的変容において切断され、忘却されてきたものが、どうポスト帝国的秩序を、戦前から連続的な仕方で支えたのか。こうした分析を進めることで、20世紀のグローバルな軍事-政治的な地政学と、人びとが日々の生活のなかで経験している意味や欲望、感情を、けっして下部構造と上部構造、ミクロとマクロ、テクストとコンテクストというような二元論ではないかたちで結びつけることができた。
第二に、東アジアにおけるアメリカの文化政策を研究するため、近年桐生市図書館で発見され、現在東京フィルムセンターに所蔵されているCIE映画フィルム(占領期日本で教化・指導政策に携わった、GHQ/SCAPの機関である民間情報教育局Civil Information and Education Section=CIEによる映画作品)のデジタル・アーカイブ化を進めた。老朽化したフィルム映像・音声のデジタル化およびメタデータのデジタル化を進め、デジタル・アーカイブとしてまとめた(http://kirokueiga-hozon.jp/cie/著作権の問題から、限定公開中)。さらにCIE映画を素材とする研究会を開催し、あわせて上映会を開催することができた。
また、この東アジアにおける「アメリカ」を考える際、戦前日本の帝国主義からの連続性を視野に入れて検証し直されなければならない。本研究プロジェクトにおいては、戦前・戦中の日本の帝国主義と東アジアの情報空間を研究するため、複数の大学に存在する「戦争とメディア」をテーマとするデジタル・アーカイブを統合する試みを行った。(戦争とメディア:http://media-portal.iii.u-tokyo.ac.jp/)
【研究代表者】