大学等の実験室における多様性をふまえた客観的な評価指標の深層学習による開発
【研究キーワード】
実験室 / 安全 / 大学 / 指標 / 多様性 / 深層学習
【研究成果の概要】
本研究では、多様な実験室の安全を考える上で、実験室の状況を定量化し、議論の根拠となる実験室の実態を科学的に表現する指標の抽出を目的としている。実験室で使う装置の例として、実験室内で一般的な局所排気装置(Fume hood、以下FH)を取り上げ、関係する定量化データを収集し、深層学習手法により解析して実験室の実態を表現する指標を抽出し、最終的には、FHの使用状況を撮影した写真を見て、使用実態を判断できる指標の探索を目指している。今年度(令和3年度)は、基礎的データの収集と試行的な解析に取り組んだ。
(1)FHの写真データの収集と解析:内部に置かれるものや色を対象とし、写真データの解析を行った。ものの置かれ方や映り込むものに関する情報の深度がFHによって全く異なるため、映り込むものの細かい情報についてはインタビュー調査も併せて調査した。
(2)FHでの作業の調査によるパラメータ抽出:FHを使用する作業者への現地調査、試薬管理システムからの使用量抽出、リスクアセスメント結果抽出を行い、量的・質的データを整理して、FHの画像データとの関連性を解析するための下準備を整えた。
(3)写真データと各種パラメータの解析:FH内の面積・空間占有率と薬品使用量の関係性の解析を行った。面積占有率と薬品使用量における正の相関、使用量の多さと高い空間占有率の関係性などの特徴が明らかとなり、本手法での解析によって指標が抽出できる可能性を示した。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【配分額】6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)