幼少期から自らの健康を保持・増進できるコンピテンスを育むSTEAM教育の検討
【研究キーワード】
健康教育 / STEAM教育 / コンピテンス基盤型教育 / 幼児 / 児童
【研究成果の概要】
国内外のカリキュラム等について、幼児期のSTEM教育を担う人材育成の視点からを検討したところ、日本ではアメリカ、イギリスに比べて保育者を目指す学生が科学的な知識を学ぶ機会が少ないことが明らかとなった。そのため、保育者養成課程においてSTEAM教育の楽しさや意義に触れる必要性があることが再確認された(日本理科教育学会)。
保育者・教育者養成課程の学生を対象とした授業において、STEAM教育の視点を活用した健康教育のプログラム立案を導入した結果、学生はSTEAM教育への理解を深め、健康教育を教える自信の向上にも有効であることが示唆された。この活動において学生が幼児から小学生を対象に考案した食と栄養に関するプログラムを検討したところ、STEAM教育の各視点が含まれており、発達段階を概ね捉えた内容となっていた。(白百合女子大学研究紀要)。
運動に関するプログラムとして「投げる」能力及び「跳ぶ」能力を育む教科横断型学習を支援する保育者・教育者養成に向けた取り組みの成果について検討した。投げる動作の観察・評価、人体模型による骨と筋肉などの構造の理解、梃子を用いた力と運動の関係を学ぶ実験などのSTEAM教育を取り入れたプログラムの体験を通して、学生は「投げること」に対するイメージを広げ、深化させたことがうかがえた(STEM in Education Conference)。同様に「跳ぶ」能力を育む教科横断型学習の取り組みでは、跳ぶことに関わる体の仕組みを理解する脚の模型づくり、遠くへ跳ぶための条件を考える紙コップロケットの実験、子ども向けの跳ぶ活動を含む遊びの企画などを行った。これらの経験により、学生は跳ぶ動作への理解を深め、子どもに対する指導への自信も向上したことから、跳ぶ能力を高めるための支援ができる保育者・教育者養成に有効であることが示唆された(白百合女子大学初等教育学科紀要)。
【研究代表者】