学力テストをいかにして授業改善につなげるか:阻害要因の検討から学校での実践まで
【研究キーワード】
テスト / 活用 / 学校実践 / 統計的モデルの活用 / テスト活用 / 学習改善 / 指導方改善 / 心理学による支援 / 教師の信念 / 認知診断モデル / 教師の実態把握力 / 深い理解 / 実践的研究 / 数理モデル / 指導法開発 / 評価 / 深い学び / 教師の授業改善 / 生徒の学習改善 / 実態把握力の解析 / 授業改善 / 阻害要因 / 学校での実践研究
【研究成果の概要】
次期学習指導要領の公示にともない、新たな学力観をふまえて学習者を育成することが喫緊の課題となっている。特に、「深い学び」を学校現場において達成することは、次期学習指導要領において最も重要な事項の一つとされており、近年では、こうした新しい学力観に沿うような学力テストも少なからず実施され、学校現場で活用されている。こうしたテストは、教師が結果を授業改善に生かすことを意図して実施されている。すなわち、実施された様々なテストの結果を分析し、それをふまえた対策の立案が求められる。しかし、様々なテストが実施されているにもかかわらず、テスト結果が必ずしも授業改善につながっていないという問題がある。本研究では、その原因について教師の信念や認知に焦点を当てて検討するとともに、実際に深い学びを測定し、それらを促すような指導法のあり方を検討したり、実践的研究を行ったりしている。
2年目である本年度の成果について簡潔に述べると、まず、テストが活用されない背景を探るために、教師の失敗活用に関わる質問紙の作成やそれに関する調査を行った。さらに、深い学びを測定するためのテストのための統計モデルとして「認知診断モデル」に着目し、改良した統計モデルの開発や、推定制度の検証などを行い、査読つき学術研究として出版した。また、教師の実態把握力を解析する数理モデルも独自に開発しており、それを活用した教師向けワークショップを現場で行い、国際学会で発信した。最後に、実践的な研究も行った。例えば、生活保護受給者家庭の支援施設で、生徒自身のテスト活用力の向上など、生徒の学び方をいかにして図るのかを議論した実践を行った。支援者の意識変化が見られたことや、その難しさの原因についてもまとめ、査読つき学術雑誌論文として公刊した。この他に、21年度からの学習評価の改訂に向けて、学校現場の教師との実践的共同研究も行った。
【研究代表者】