授業研究方法論の体系化に関する総合的研究
【研究分野】教育工学
【研究キーワード】
授業研究方法論 / 授業記録 / 授業分析 / 授業評価 / 授業シミュレーション / 教師教育 / 授業スキル / 教授スチル / 教師の成長 / 初任者研修 / 授業研究 / アセスメント / 教授スキル
【研究成果の概要】
今年度は、前年度に引き続いて原資料を収集しながら、これまでにとられた授業研究方法論の系譜と関連性を体系的に構造化することを目的として研究を進めてきた。
また、それぞれの研究グループの影響を色濃く反映している研究者を研究協力者として招き、研究会を実施することにより、原資料以外の情報を補填し、かつ授業研究上の各スタンスの確認を行うことを心がけた。
その結果、仮説的に設定している4つの軸(1.授業記録の方法、2.授業記録の対象、3.授業分析の視点、4.方法論)の各カテゴリーを再検討し、新しい授業研究方法論の分析の枠組みを再構築することができた。
今後の課題としては次の数点が挙げられる。
まず、授業研究の方法論と教師教育、授業改善、新学力観など新しい教育課題との対応づけを図るために、過去の授業研究における諸アプローチを並置、検討するための比較枠組みを再構成することである。加えて、諸分野の新たな研究知見(認知科学、システム工学など)を、方法論としてどのように授業研究に位置づけるのかを検討することも必要となる。
次に、授業分析・授業評価の側面については、“教授行動の代替案(選択行動)の評価"の観点から、授業研究の各アプローチの特質を明示する必要がある。その後、教師教育と授業研究方法との関連性(初任者の力量形成、イン・サービス・トレーニングのあり方など)の明確化や、ひいては授業シミュレーションのモデル構築へと、研究課題を展開しなければならない。
【研究代表者】