低侵襲化手術に必要な解剖学的知識の伝承をより効率化するための学習ツールの開発
【研究キーワード】
医学教育 / 解剖学 / フォトグラメトリ / 立体視 / 脳神経外科 / 手術 / 空間再現 / VR / 手術手技
【研究成果の概要】
令和3年度においては、まず、フォトグラメトリの手法による解剖映像の3D教材化の妥当性を確認するために、実際にカダバーを用いて解剖手順にそった各段階において多視点で撮影することを行った。これらからフォトグラメトリ技術でテクスチャ付き3Dモデルデータを作成することができた。これらの3Dモデルデータを空間再現ディスプレイ(SONY, ELF-SR1)上で自由な視点で立体視しながら剖出段階を進めたり戻してみることのできる教材、”レイヤー解剖”を作成した。複数の領域で解剖教材を作成することができたが、その中で頭部、胸部、心臓に関するレイヤー解剖コンテンツを解剖実習を行う学生に供覧し、元の写真と比較しても遜色なく本物のように見えることをアンケートで確認することができた。
その結果を元に同様の方法で手術顕微鏡下で行われる脳神経外科領域の手術に沿った解剖教材の作成を開始している。錐体骨を削除して後頭蓋窩へ到達するアプローチ法の一つ、Anterior transpetrosal approachを行うに当たりKawase's triangleをいかに正確に骨を削り、またアプローチを実施できるかを評価するために必要なレイヤー解剖教材を現在作成し終えている。この3D教材をクリニカルアナトミーラボにて慶應義塾大学脳神経外科の若手医師の解剖トレーニング前後に供覧することによる評価を開始している。カダバーを用いた教材作製に関する倫理審査理審査を受けて承認されており、適正に倫理性を担保しつつ研究を進めているところである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
今西 宣晶 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
堀口 崇 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)