予防医学の発展に向けた深層生成モデルによる人体の経年変化予測
【研究キーワード】
デジタルツイン / 老化予測 / 医用画像 / 機械学習 / フローベース深層生成モデル / カリキュラム学習 / 経年変化予測 / 深層ニューラルネットワーク / 深層生成モデル / 経年変化
【研究成果の概要】
本研究は同一モダリティで撮像された健康な人体の経年変化を予測(=老化予測)することを目的とする。このため、与えられた画像が生起する確率分布をモデル化し、偽物だが現実的な画像を大量に生成できる深層生成モデルを採用する。当初採用を予定していた2つの確率分布とそれら確率分布間の変換規則を学習できる3次元フローベース深層生成モデルDUAL-GLOWはGPUメモリ使用量と学習効率の観点から医用画像の解像度を大きく低減して入力する必要があること、および本提案採択後の早い段階で強力な類似研究が現れたことから、別の生成モデルを採用する必要が生じた。そこで本研究ではDUAL-GLOWと比較してGPUメモリ使用量が少なく、かつ学習が進みやすいと考えられる、研究代表者がOpenAIのGLOWを基に開発した3次元フローベース深層生成モデル3D-GLOWを採用した。しかしながら、3D-GLOWで高解像度(ここでは128x128x128以上)の頭部CT画像を学習する場合に数値的な不安定性が生じることが判明したので、計算の安定化手法を考案した。具体的には、低い諧調(例えば1ビット)の画像から高い諧調(例えば8ビット)の画像へと徐々に画像の情報量を増大させながら学習を進行させるプログレッシブ学習(カリキュラム学習の一種)を提案し、実際に高解像度な頭部CT画像の学習に成功した。さらに、頭部CT画像で学習された3D-GLOWの潜在空間へと現実の頭部CT画像を写像し、その潜在空間で新旧2枚の頭部CT画像を変換し、老化予測を実施するネットワークを実装することにも成功した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)