留学生のキャリア意識・支援の実態解明と組織横断的なキャリア支援システムの構築
【研究キーワード】
留学生 / キャリア意識 / キャリア支援システム / アンケート調査 / インタビュー調査 / 質的・量的研究 / 組織横断的な連携 / インタビュー / パイロット調査 / 自律的キャリア意識 / 留学生と日本語教師のずれ / 中国人留学生とベトナム人留学生 / キャリア観 / キャリア・スパン / 異文化理解 / コミュニケーション / キャリア意識と行動の実態 / 混合研究法 / 教育現場と支援組織の組織横断的支援
【研究成果の概要】
2021年度の実績は主に次の三点である。
一点目は、これまでコロナ拡大の影響で実施できなかったアンケート本調査を実施した。パイロット調査において個人情報の保護や回答の信頼性、作業手順等を確認し、首都圏、関西、四国、中国、九州圏の外国人留学生を対象に約50の質問項目についてオンライン調査を実施し、260名から回答を得た。それらの回答について統計分析を行い、留学生の留学目的は、日本の社会文化への関心、就職、日本の社会文化への関心と就職という3つに、また、キャリアに関する価値観は、個人志向、社会志向、個人社会志向という3つに分類できることと、各クラスターの特徴を明らかにした。さらに、留学目的やキャリアに関する価値観に関わらず、キャリアのための学習や活動が十分になされていない現状を明らかにした。
二点目は、大学において留学生のキャリア支援を行う職員とキャリアコンサルタントに対してインタビューを行い、留学生キャリア支援の実態と、留学生自身の課題を明らかにした。留学生支援は日本人学生の後手に回る傾向がある上、日本語力の問題から留学生自身が積極的に大学の支援を受けようとしない傾向がある。特に大学院生や短期大学生はその傾向が強い。本研究では、その現状を留学生キャリア支援の不足と、教育機関におけるダイバーシテイ&インクルージョンという2つの観点から捉え、学会報告を行った。後者の学会報告では、留学生のキャリア支援を行うコンサルタントとの連携を実現した。
三点目は、質的インタビュー調査によって留学生のキャリアに対する意識の一端を深く掘り下げた。これまでも首都圏と地方の四年制大学、短期大学に在籍する留学生に対して継続的に調査を実施してきたが、多様な背景を持つ留学生の語りを集めることにより、実態がより明らかになったと言える。
以上、主に三点の研究結果は、今後の留学生のキャリア教育に資するものと考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
松本 明香 | 東京立正短期大学 | 現代コミュニケーション学科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
佐藤 正則 | 山野美容芸術短期大学 | その他部局等 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
家根橋 伸子 | 東亜大学 | 人間科学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)