空間データ重合における属性データ変換手法の評価
【研究分野】社会システム工学
【研究キーワード】
空間データ / 重ね合わせ / 属性データ / データ変換 / 属性データ変換 / 変換精度評価 / 空間統計
【研究成果の概要】
本研究では,GISにおける空間データの複合利用に対応する方法論構築を目的として,空間データ重合における属性データ変換手法の評価を行っている.平成11年度には,主に属性データ変換手法の評価理論構築を実施した.
昨年度の研究を受け,本年度はまず,昨年度に構築した属性データ変換手法評価理論の実際的検証を行った.国勢調査データ,及び,人口分布を表現する場合に理論的に適当であると思われる分布形(一様分布,円錐分布,線形分布)を想定し,それらをGIS及びCプログラムによって操作できる空間データの形式に整えた.そして,昨年度までに理論的な検討を行った,1)面積按分法,2)代表点内包法,3)カーネル法,4)補助データ法の4つについて,変換精度の評価式を利用しながら,場合ごとの精度評価を行った.
この結果,一様分布の場合には補助データ法が最適であり,次いで面積按分法,カーネル法,代表点内包法の順であった.一方,円錐分布の場合には,カーネル法,補助データ法が比較的優れており,面積按分法と代表点内包法の優劣は場合によって変化した.線形分布は,現実的にはよく見られるものであるが,属性データ変換という観点から見ると決して扱いやすい分布ではない.結果的には補助データ法が平均的に優れており,次いで面積按分法,カーネル法の順に劣り,代表点内包法は極めて悪い推定値を与えた.これらの結果をふまえ,また,現実の属性データ分布を考えると,補助データ法は広く良い推定値を与える方法として評価することができ,また面積按分法も,方法の簡便さを考えると比較的良い方法であると言える.反対に,代表点内包法は,ごく限られた場合にしか正しく動作せず,あまり推奨できる方法とは言えない.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
貞弘 幸雄 | 東京大学 | 空間情報科学研究センター | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】3,900千円 (直接経費: 3,900千円)