日本型経営システムの形成と発展プロセスの研究
【研究分野】経営学
【研究キーワード】
意思決定プロセス / コーポレートガバナンス / データベース / 株主総会 / 科学的管理法 / 経営システム / サステナビリティ / 日本的経営 / 生産性 / テキストマイニング / データベース化 / 日本型経営システム / 多角化 / データマイニング / 日本型経営 / ガバナンス / ビッグデータ / 画像認識 / 組織構造 / 意思決定システム
【研究成果の概要】
本研究の目的は、神戸大学が保有する鐘紡資料を基に、企業の発生から成長、成熟段階の経営者の意思決定プロセスを分析し、日本型経営システムの本質を再定義することにより、企業のコーポレート・ガバナンスの在り方を提言することである。研究成果は大きく、以下の3点に集約できる。①鐘紡資料は膨大であり、資料の多くは手書き資料のため、デジタル化、チェキスト化を行うプロセスを開発した。②テキスト化した資料をデータベース化し、検索可能となった。③工場のデータ、株主総会など、意思決定を行った資料を基に、鐘紡の経営者の意思決定の仕組みが明らかになった。こうした貴重な資料や分析結果は広く、web上で公開できた。
【研究の社会的意義】
本研究の最大の貢献は、企業成長プロセスの研究方法として、企業の内部意思決定にまで踏み込んだ点にある。本研究では手書きのデータが多い資料のうち、社長決裁書類、株主総会議事録、重役会議での社長指示など、全てデジタル化、データベース化した。これは、企業の内部資料の入手はほぼ不可能な点に起因する。特に日本では、100年以上の歴史を有する企業は多いが現存する企業では、まず、内部資料は閲覧すら不可能である。本研究では得た結果は、日本型と呼ばれる経営の仕組みは明治期より社長交代の仕組みに現れている。日本の巨大企業が出来る背景には、明治期より、科学的管理法よりも人間中心の経営が行われてきた点に特徴がある。
【研究代表者】