高次元データモデリングの新展開と統計的リスク分析
【研究キーワード】
確率的ボラティリティ / 高次元データ / 実現ボラティリティ / マルコフ連鎖モンテカルロ法統 / 統計的リスク分析 / ベイズ統計学 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 確率的ボラティリティ変動モデル / リスク管理 / 高頻度データ / 潜在変数 / ランダム回答法 / 統計的リスク / ボラティリティ / ベイジアン・アプローチ
【研究成果の概要】
大森は、多次元時系列に因子構造を考え、因子に動学的構造を持たせることで分散及び相関係数の変化をモデル化した。また多変量2値データに対して多変量プロビットモデルの拡張を回答者のプライバシーを保護するランダム回答モデルの枠組みで行った。高橋・大森・渡部は、金融資産の収益率とそのボラティリティを同時に定式化するRealized Stochastic Volatility、RSV)モデルと、異なるクラスのボラティリティモデルのボラティリティ予測の精度を比較し、RSVモデルの予測精度が他のモデルよりも優れていることを示した。さらに渡部は、日中の周期性や経済指標の公表の影響を考慮した日中SVモデルに日次RVを加えたモデルとそのベイズ推定法を提案し、実証分析において有用性を示した。
石原は、リスク管理に重要なサイズファクター・バリューファクターの代理変数を簡便に観測できる高頻度データを用いて定義し、その実現共分散を計算した。マーケット・サイズ・バリューファクターの分散・相関の変動を多変量の確率的ボラティリティ変動モデルを用いて分析し、そのボラティリティの非対称性について調査した。黒瀬は、金融資産日次収益率の分散項の時間変動のモデリング、特に確率的ボラティリティモデル等の収益率の分散項の時間変動モデルに日中価格レンジの情報を組み込む研究を行った。
入江は、ガンマ分布およびウィシャート分布の性質を応用した実データの逐次解析の研究を行った。またガンマ分布の縮小事前分布への応用について理論的な考察を行った。國濱は、多次元カウントデータに対してパラメータ推定の計算時間を短縮する統計手法の開発を行った。各周辺分布において,要素が有限個の混合正規分布による近似を用いることで,事後分布からのサンプリングの時間短縮を可能とした。またクロスバリデーションよりも計算負荷を小さくする推定アルゴリズムを考案した。
【研究代表者】