理・工・医学の連携による津波の広域被害把握技術の深化と災害医療支援システムの革新
【研究分野】自然災害科学・防災学
【研究キーワード】
津波災害 / 広域被害把握 / 災害医療 / マルチエージェントシミュレーション / リモートセンシング / シミュレーション / 高性能計算 / 津波
【研究成果の概要】
リアルタイムシミュレーションとセンシングの融合による「広域被害把握技術」を深化させ、津波被災地における災害医療システムの構築を通じて医療救護班の適時・適材・適所の配備に貢献することを目標として、理・工・医学の連携研究を推進した。津波の人的被害・物的被害の量的推定を可能にし、推定被害量から被災地の医療需要の質と量を即時的に推定するとともに、シミュレーションによる災害医療活動の予測・更新の方法論を確立した。これらの研究により、当初の目標である「広域被害把握技術の深化」を達成し、南海トラフ地震津波災害時の革新的な医療支援システムとしての実現可能性を高めることができた。
【研究の社会的意義】
本研究成果の最大の学術的価値は、理学・工学・医学が連携して、巨大災害の社会的影響の把握を明らかにする災害・被害予測の技術を、災害医療・被災地救援の情報技術として深化させたことである。災害医療に関する分野横断型研究の成熟に対して貢献できたことが大きな価値を生んでいる。本研究の成果を利用したリアルタイム津波浸水被害予測システムが国や自治体に採用され、訓練等でも活用されるなど、オープンイノベーションのロールモデルとしての意義も高い。
【研究代表者】