分子シミュレーションと深層学習の連携によるペプチドの高精度ドッキング予測と設計
【研究キーワード】
抗ウィルスペプチド / ペプチド設計 / 深層学習 / タンパク質 / ドッキング予測 / 分子シミュレーション
【研究成果の概要】
新規抗ウイルスペプチド(AVP)の計算機による生成を目的としたシステムFeedback-AVPGANを開発した。Feedback-AVPGANでは、敵対性生成ネットワーク(GAN)を用いて新規のペプチドを生成する。さらに、抗ウイルス性のあるペプチドの生成を効率化するため、フィードバック法を用いる。フィードバック法は、GANによるペプチドの生成において、既知のペプチドだけからでなく、生成した合成データからも学習できるようにするものである。この方法を実装するため、我々はGANの生成器から合成されたペプチドを入力とし、抗ウイルス性をもつかもたないかを判定する分類器モジュールを開発・導入した。この分類器はtransformer networkを用いて実現し、accuracyで0.889という、既存の分類システムに比べて高い分類精度を達成している。フィードバック法は既存のAVPのデータが少ないという問題を克服するために有望な手法である。当該年度は、Thakurら(Nucleic Acids Res. 40:W199)によって作成されたAVP・非AVPデータセットから、非正規アミノ酸を含むものや対象ウイルスが少数のものを削除し、非AVPデータに関してはAVPデータと数を揃えるために実験で実証済みのものに加えてデータ増強(augmentation)を行い、さらに、対象実験としてランダムなペプチドも追加した独自データセットを作成した。このデータセットを用いて、フィードバック法の実現において様々なアルゴリズムを検討し、その性能を評価した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)